活動の報告

【18.12.18】「消費者教育実践フォーラム in 中濃」が開催されました

 
12月8日(土)13時30分から16時30分、美濃加茂市の生涯学習センターにおいて41名の参加者で「消費者教育実践フォーラム in 中濃」が開催されました。このフォーラムは、岐阜県・岐阜県教育委員会の後援を受け、消費者ネットワーク岐阜が主催して毎年開催されています。

 
岐阜県生協連は、岐阜県内の各階層とのネットワークを発展させることを目標として、「消費者ネットワーク岐阜の活動」を日常的にバックアップしており、このフォーラムの企画案や実行計画づくり、事前準備から当日運営まで関わってきました。

消費者ネットワーク岐阜大藪千穂代表(岐阜大学教授)より開会挨拶があり、今回は、中学校の家庭科と高校の社会科に絞って実際の授業を行い、その成果の報告も併せて行なえるように企画したこと。授業内容は、家庭科と社会科から取り組む消費者主権教育の試みとなっていると説明されました。

 
最初に各務原市立桜丘中学校横山真智子教諭による、中学校家庭科における授業実践がありました。最初に、2012年「国連持続可能な開発会議」におけるムヒカ大統領のスピーチのDVDを見た後に、自分が買い物する時の視点を各参加者がプリントに書き出しました。次に、バナナ・米・ツナ缶・お茶の4品について、フェアトレードと一般流通、有機栽培と一般慣行栽培のように異なる仕様(A・B)のものを例示し、各自どちらの商品を選ぶかを出し合いました。

最初は、低価格品や使い切りサイズのものを選ぶなど、自分基準での選択が多くありましたが、授業を進める中で、それに合わせて「人」や「環境」の視点が加えられ、買い物をすることによって社会を変えられるという視点を学ぶことを授業の中で目指していることが実感できました。

また、関心が高まっているエシカル消費に通ずるものであるとも感じました。

 
次に岐阜県立各務原西高等学校の坪内清次郎教諭による、高等学校公民科の授業実践がありました。まず「消費者とはどのような存在だと思うか」の書き出しを行ない、次に、あるアイドルグループのファンクラブに入会したが、すぐに自分のお気に入りのタレントが脱退したので脱会したいと思ったが、規約事項に「いかなる理由があっても一切返金には応じない」という項目があるが自分ならどのように行動するかという事例研究を行いました。ガマンしてしまわず消費者が行動することによって、国や県、企業が動いたり、法律が整備されることを学ぶことができました。

最後に、再度「消費者とはどのような存在であるべきか」をグループで意見交流し、用紙に書き出しボードに貼り出しました。

最後に、グループごとに二つの授業実践について意見交換を行い、質問とともに発表してお二人から回答をいただいた後、消費者ネットワーク岐阜の御子柴慎副代表よりまとめと閉会の挨拶がありました。

およそ40年ぶりに受けた授業はとても新鮮でした。いったん社会に出ると、実際の教育現場ではどのような授業が行われているか情報が乏しくなります。成人年齢の引き下げを2022年に控え、若い世代の人たちが消費について知識を持ち、自分で判断して責任を持って行動できるようになることの大切さを学んだ今回のフォーラムでした。

以上

 
「昔はこういうことは学校では教えてくれなかったなぁ…」