活動の報告

【19.01.31】「男女共同参画の視点から考える防災」学習交流会に参加しました

 
2019年1月28日、日本生協連 関西地連主催の「男女共同参画学習交流会」が生協会館新大阪で開催されました。参加者数は約30名。今回のテーマが「男女共同参画の視点から考える防災」ということで、岐阜県生協連が「防災」を重点課題としていることもあり、傍聴させていただきました。

この日の学習交流会の主旨

  1. この間の自然災害では、避難所における女性への配慮不足による様々な課題が明らかになった。男女共同参画の視点をもって地域の防災の取り組むことが重要課題になっている。
  2. 男女共同参画の視点から防災学習・交流を通じて、災害発生時はもとより、平常時における地域の中での支えあいについて考える契機としていく。

男性と女性では被害時の支援ニーズが異なることを押さえておくこと

 
まず関西地連からの報告に続き、約70分の学習講演。講師の丹羽麻子さんは、三重県男女共同参画センターに勤務後、2011年から福島県郡山市に住み「女性のための電話相談ふくしま」の拠点運営を担当、その後復興庁や女性労働協会を歴任し、現在は国立女性教育会館に勤務されています。

過去の大震災時に起きたこと

  • 阪神・淡路大震災では、兵庫県の女性の死亡者数は男性の1.4倍であった。特に高齢者。
  • 東日本大震災でも女性の死者数が多く、高齢者の男女差が大きくなった。
    復興時には土木関連の求人が多く女性の就職者数は極めて少なかった。
  • 避難所生活での困りごとは、「シャワーや入浴」「プライバシーの確保」「トイレの数」などが女性から多く出された。女性用品や乳幼児用品の要望も高かった。
  • 発災直後からDV相談が増加した。

災害時には女性の脆弱性が増幅する

災害時には、それまで安全を守ってきた様々な要因が喪失・変化し、実際に、プライバシーが守られなかったり、孤立者が増えたり、暴力やハラスメント的な言動が横行するようになっても、それが当たり前のようになってしまうこと、そして、女性や高齢者、障がい者など弱い立場の人に大きなストレスがかかること、引いては関連死にもつながることに怖さを感じました。

災害に強い地域社会づくりは、男女共同参画の視点から防災に取り組むこと

講演の後は、5~6人のグループに分かれて感想などを交流しました。

近年は、大きな自然災害が続いて発生しています。東海地方も南海トラフ地震の発生確率がますます高まっています。地域の防災力強化は自助・共助・公助の連携が重要だと言われ、その活動の中核になるのが「地域防災リーダー」と言われる人たちです。

「地域」には、男女の区別だけでなく、高齢者、障がい者、子ども、傷病者、単身者など多様な人々がくらしています。「防災は男だけの仕事」という考えから転換して、様々な視点をもって地域の防災計画づくり、女性や子育て家庭に配慮した避難所の開設・運営マニュアルづくり、地域の防災訓練や学習など、男女共同参画の視点から意思決定に参加していくことが、真に災害に強い社会の構築には必要であることを学びました。