2019年7月12日(金)、岐阜市のホテルパークにおいて、岐阜県協同組合間提携推進協議会(構成団体:JA岐阜中央会、JA全農、岐阜県酪連、岐阜県生協連)主催の「協同組合を考える集い」が開催され、県内の協同組合と連合会から173名が参加しました。
この集いは、協同組合を取り巻く近年の情勢を確かめ、県内の協同組合の職員が協同組合の価値について理解を深め、相互に学ぶことを目的に1992年から毎年開催されています。
JA全農岐阜の高坂茂副本部長の開会挨拶で始まり、同協議会幹事会の座長である岐阜大学の李侖美准教授から、岐阜県の協同組合間提携推進の歴史やおもな取り組みについての報告と課題提起がありました。
「同協議会に加盟している農業協同組合、酪農農業組合、生活協同組合の合計組合員数は82万7,000人となりました。これは岐阜県人口の41%に相当します。協議会の取り組みを一つずつ積み重ねてきており、昨年度も新しい活動として「長良川清掃活動への参加」や「協同組合に関する学習会」を行うことができました」
「地域の人びとの安全・安心なくらしのために協同組合は不可欠であり、これからも協同組合どおしの連帯強化で、くらしの課題への対応力を高めたい。つながりを大切にしていきましょう」
続いて、情勢報告として、JA岐阜中央会の渡邊健彦常務理事から「JAグループの当面の課題と対応」のテーマで、農協改革の進捗状況や今後に向けての推進課題などについて報告がありました。
「農協改革集中推進期間がこの5月末で終了し、各方面から様々な形で評価されている。引き続き改革の取り組みを進めていくとともに、JAは“食と農を基軸として地域に根ざした協同組合”としてJA組合員全体で“農業の応援団”の活動に取り組み、地域になくてはならない存在と言ってもらえることを目指します」
続く事例報告では、日本協同組合連携機構(JCA)副主任研究員の阿高あやさんより、「協同組合の連携によるSDGsの実践事例」の報告がありました。
「業種は違っても協同組合には共通性がある。自分だけでやるのが難しいことでも得意な相手と組んでやれる可能性がある。岐阜県の協同組合間提携は、大学の先生が座長となり連携の取り組みを継続してきたことは素晴らしいこと」「全国で数多くの協同組合の連携事例が生まれている。地域の課題に目を向け、地域との関係性の中で価値を生み出し、豊かなコミュニティを築いてほしい」
今回の講演は、奈良女子大学の中山徹教授から「人口減少社会における協同組合の役割」と題して、日本における人口減少の状況や政府が進めようとしている都市計画の骨子、そしてその中での協同組合の新たな役割について講演を聴きました。
「東京への一極集中型から、地域(市町村)がその独自性を生かして需要サイドの意思で日常生活圏を維持できるよう整備していくことがこれからの地域再編のポイント。協同組合は行政と市民の関係づくりにも役割を果たしてほしい」
最後に、全岐阜県生協連の大坪光樹会長理事から閉会挨拶があり、この日の集いを終了しました。
3時間という短い時間でしたが、協同組合を巡る情勢や課題について考える貴重な学びの場となりました。
また、 事務局として準備と運営に従事していただいたJA岐阜中央会協同活動推進課の皆さまに感謝いたします。
■この日の参加状況
- JA関係 …110名
- 生協関係 … 48名
- 酪連関係 … 9名
- 労福協関係… 3名
- 講師 他 … 3名
■全岐阜県生協連の参加者(全生協から参加がありました)
- 岐阜県学校生協 … 1名
- 岐阜労済生協 … 1名
- 岐阜大学生協 … 5名
- コープぎふ … 32名
- 岐女短生協 … 1名
- 西濃医療生協 … 2名
- 生協ぷちとまと … 3名