2019年8月20日(火)、岐阜県図書館で開催された防災・減災フォーラム「伊勢湾台風から60年」に参加しました。(主催:岐阜県、岐阜県図書館、清流の国ぎふ防災・減災センター)
このフォーラムは、今年が伊勢湾台風から60年の節目の年となることから、伊勢湾台風による被害の記憶や教訓を風化させず、次世代に伝えることを目的に開催されたものです。
この日の来場者数はおよそ300人と満席。行政や学校関係の方が多そうな中、高校生や大学生さんなど若い人の姿も目ちました。
冒頭で伊勢湾台風の映像がスクリーンで上映され、被害の様子や被災された方のインタビューが紹介された後、主催者を代表して古田知事の開会挨拶がありました。岐阜県は清流の国であると同時に水と闘ってきた歴史を持つ県。県内442の全河への対策を常にとり続けていると紹介がありました。
伊勢湾台風を超える台風の襲来はありえる
続いて気象予報士の北村泰宏さんから「伊勢湾台風襲来 その時」と題して基調講演を聴きました。台風が発生するメカニズムや台風の構造、進路と被害の相関、その上で伊勢湾台風があれほどの大被害となった理由などを分かりやすく話していただきました。
伊勢湾台風は、発生から非常に速く、強い勢力のままま上陸し、上陸後も衰えることなく岐阜県の西部を北上し、前線も刺激して大きな暴風・豪雨被害を齎しました。夜間の通過となったため停電による避難の遅れも甚大な被害の原因になりました。
近年は海面水温が上昇しており、強い台風の発生が多くなり、さらに台風の寿命が延びるなど心配な状況変化が進んでいます。伊勢湾台風を超える台風が発生する恐れはあると話されました。
ふだんからの関係が防災・減災でも大切
休憩を挟んでのパネルディスカッションでは、「伊勢湾台風の教訓を次の世代に」のテーマで、岐阜大学の髙木教授をコーディネーターに、気象予報士の北村さん、武並小学校の松井教頭先生、女性防災士会の伊藤代表、伊勢湾台風の語り部で養老町在住の西脇さんが、ご自身の伊勢湾台風の体験や、今後の災害対策における注意点、そして次の世代の人に伝えたいこと等を意見交換しました。
この中では、恵那市武並小学校では「思いやりの心」を大切に「防災スクール」の取り組みを進めていること等の紹介があり、防災・減災はまずば自分や家族の命を自分で守ることを基本として、ご近所や近隣の人とのたすけあいが重要であること、そのためには平常時から挨拶や関わりなどが必要であること、ふだんのつながりがあってこそ災害発生時の行動に生きてくるということをあらためて学びました。
最後に、今日参加してくれた武並小学校児童の皆さんに「自分の命は自分で守る」の防災宣言を一人ずつ発表してもらいこの日のフォーラムを終了しました。
体験を聴き伝えていく大切さは多くのことに共通しています
私は昭和34年にはまだ生まれておらず、伊勢湾台風のことは両親から聞いたりテレビ番組で見たりくらいの知識しかありませんでしたが、体験された方の話を聞き伝えていくことが必要であると改めて感じました。また近年は自然災害が頻発しています。自分や家族の命を守るために日頃から防災・減災対策を他人任せにせずにやっておくことが重要だと感じました。
●おまけ
この日配布された資料に紹介されていた「ぎふ山と川の危険箇所マップ」サイトで、わが家の危険度を確認してみました。皆さんも一度やってみてください。(画像をクリックするとサイトに行けます)