活動の報告

学習会「誰もが安心して暮らせる、持続可能な地域コミュニティ」広島県生協連がめざしていること を開催しました【19.12.23】

県連理事会の時間を拡大して学習会を開催しました。会員生協の理事さんや職員の方も参加して学習しました。

2019年12月17日(火)、岐阜市のハートフルスクエアGで岐阜県生協連理事会の学習会「広島県生協連がめざしていること ~誰もが安心して暮らせる、持続可能な地域コミュニティ~」を開催しました。この学習会は、岐阜県生協連の第4次中期計画の検討に向け、広島県生協連の取組みに学ぶことを目的に、広島県生協連の高田公喜専務理事に講師をお願いして開催したものです。県連役員と会員生協の役職員17名が参加しました。

●「寛容さ」異質なものも取り入れる協同組合の真価が問われています

高田さんが最近気になっていることとして、「新自由主義社会の歪み」「人口政策の不在・不作為」「静かなる有事」「平和への無関心」があるそうです。これは主として、貧困格差や非正規雇用の肥大化政策や、成りゆきまかせで殆ど少子化対策などに手を打ってこなかった政治のツケが今現われているもの。日本は経済は成長したが人びとは潤っていない。北欧諸国のように幸福度を高めるためには「生活の質」を上げることが必要。競争社会ではなく地域共存社会を実現するためには、北欧の特長の中でも特に「寛容さ」が重要であり、異質なものも取り入れる協同組合の真価はそこに問われると訴えられたのが印象的でした。

●地域コミュニティへの関りの強さにより豊かな取り組みが進められています。

次に、広島県連の2020ミッション・ビジョンの5つの重点や、2019年の広島県連の取り組みの紹介がありました。この中では、県連は定款第1条で定める使命に沿い、
1.連帯推進(生協間、協同組合間の連帯と連携等)
2.広報・渉外(広く県民への生協理解促進、認知度アップ等)
3.政策提言(県政への提言…包括連携協定など)
を進めることを役割とすること。会員生協にとってのシンクタンクやコンサルのような存在を目指していると教えていただきました。

2019年度の取り組み事例を紹介していただいた中では、協同組合間の連携事例として、同一フロアに保健生協と地域生協の福祉事業所が併設されている事例、3生協共同での介護福祉士育成研修、県(助成金)を巻き込んでの「けんこうチャレンジ2019」、長崎県と連携して開催した「ピースアクションinヒロシマ」など、広島県連の協同組合間や他組織との連帯の強さ、行政との関係の太さを感じました。



●生協から地域を見るのではなく、地域から生協を見ることの大切さ

広島市は現在140万人の人口ですが、「200万人広島市都市圏構想」を掲げ、誰もが“住み続けたい”“住んでみたい”広域都市圏を目指し、広域全体(都市圏)、広域拠点(中枢都市)の両面の取り組みを進めているそうです。
その中において、生協は地域で連携し地域に貢献する存在として、
・多面的な日常の暮らしを地域で支えていけるよう、生協や協同組合間の連携をさらに進めること、
・地域の多様な団体・企業・行政・住民との連携を進めること、の両面から地域へのアプローチを強め、多種多様な連携の力により「地域から見て生協は一つ」の存在を目指していく構想について教えていただきました。

全体を通じて感じたのは、広島県生協連は「何をやるのか」よりも「なぜやるのか」を重要視されていること、そのために、地域の困りごとを知り、協同や連携の力により問題解決することを暮らしのあらゆる場面で追求されていることです。今回の貴重な学びを、岐阜県生協連の中計検討につなげていきたいと思います。

今回は、残念ながら近年の災害対応のことを詳しくお聞きする時間をとれませんでしたので、2020年度にまた教えていただく機会を持ちたいと思います。

参加していただいた県連各生協の皆さま、そして、講師をつとめていただいた高田専務にあらためて感謝いたします。