活動の報告

岐阜県消費生活安定審議会に出席しました【20.9.17】

2020年9月8日(火)、岐阜市の岐阜県水産会館中会議室において、「令和2年度第1回岐阜県消費生活安定審議会」が開催されました。この審議会は、岐阜県消費生活条例に基づき昭和50年に設置されたもので、県民の消費生活の安定及び向上を図るための重要事項の調査審議を目的に、年2~3回開催されています。18名の委員で構成されており、全岐阜県生協連も委員として出席しています。

この日の審議会は、岐阜県環境生活部の西垣部長の開会挨拶で始まり、会長である岐阜大学教育学部の大藪千穂教授を議長に、
(1)令和元年度消費生活相談状況報告
(2)岐阜県消費者施策実施状況報告
(3)消費者教育支援専門委員会委員の指名について
(4)岐阜県消費生活安定審議会の開催方法について
の4議題について審議しました。

相談件数は減少傾向、しかし若者からの相談が急増しています。

令和元年度の消費生活相談の状況報告の中では以下のことが印象に残りました。
・県と市町村の相談件数は12,542件となり、前年度より6.7%減少しました。
・その要因は、ハガキやメールによる架空請求の大幅な減少によるものです。一方で、健康食品や化粧品に関する相談が大幅に増加しました。
・年代別の特徴として、20歳代以下の若者の相談が2割増えました。

また、2月から新型コロナウイルス感染症関連の相談が急増しており、内容では「マスクやトイレットペーパーが購入できない、高額である」が最多で、次いで「旅行や航空券、結婚式、スポーツジム等のキャンセルや返金」に関する相談が多くなっていることがわかりました。今年度に入り4月をピークに相談件数は落ち着いてきてはいますが、コロナに便乗した詐欺や悪質商法を監視していくこと、冷静な購買行動を県民全体で心がけることが引き続きの課題であることがわかりました。

消費者施策実施状況報告の中では、県の指針の3つの柱である、
【知】消費者の多様性やライフステージに応じた消費者教育の推進
【相】消費生活窓口の機能の充実・体制の強化
【連】多種多様な団体とのネットワークの構築
のもと、多くの施策が展開されていることがわかりました。

成年年齢の引き下げ(2022年度~)への対応が急務です。

岐阜県では、年代別や暮らしのテーマ別に
消費者教育用の副読本を発行しています。
【画像をクリックすると岐阜県ホームページで
詳しい内容をご覧いただけます】

特に重要視されているのが2022年度からの成年年齢引下げに向け、学校や家庭で若い世代への教育を推進・支援していくことです。報告された施策の中では「高校生向け啓発カレンダー制作事業」や「若者の消費者トラブル対策事業」について活発に意見交換が行われ、学校や家庭における、また事業者としての啓発活動の取り組み状況などを交流しました。
コロナの影響で学習会場が確保できない等の課題が生まれている一方で、オンラインやデジタル教材を活用した取り組みの検討事例も紹介され参考になりました。また、パソコンやスマホを使わない高齢者のサポートがますます重要となるなど、コロナ社会における消費者行政の課題をこの日の審議会で実感しました。

これらは生協の組合員さんのくらしに関わる重要事項ですし、また岐阜県生協連は「消費者ネットワーク岐阜」の事務局も務めています。しっかりと情報共有し引き続き消費者施策の推進に役割を果たしていきたいと思います