2020年11月5日(木)、岐阜市のホテルグランヴェール岐山において、2020年度岐阜県生協大会を開催しました。
岐阜県生協大会は、1984年の第1回開催以降、中期計画に照らしてテーマや持ち方を考えながら毎年開催しています。 今回は、岐阜市のホテル・グランヴェール岐山に県連加盟生協の役職員、組合員、ご来賓など92名の参加となりました。
司会はコープぎふ理事の堀部智子さんにお願いしました。
岐阜県生協連の大坪会長理事の開会挨拶に続き、来賓の岐阜県環境生活部の山田次長、岐阜県議会の小原副議長、JA岐阜中央会の渡邊常務理事から祝辞をいただきました。このほかにも、日本生協連から関西地連の井爪事務局長にも出席いただきました。
大坪会長理事の開会挨拶では、まず日頃から生協の活動を支えていただいている皆様へのお礼と、新型コロナウイルスにより県連の会員生協の中でも特に岐阜大学生協や西濃医療生協が期首から大きな事業影響を受けていることの報告がありました。そして新型コロナウィルスを例に、大事なのは私たちの物事の受け止め方であり、今日の澁澤氏の講演を通してそれを学んでいきたいとの挨拶がありました。
来賓挨拶では、まず岐阜県環境生活部山田次長から、生協の日頃からの県民生活全般への貢献について感謝と、引き続きSDGsの目標達成に向けた取り組みが推進されることへの期待の言葉ををいただきました。続いて古田知事の祝辞が代読され、この中では、防災に関して令和2年7月豪雨に際してのコープぎふからの義援金贈呈や災害ボランティア活動の取り組みなど、また消費者行政については2022年からの成年年齢引き下げに向けた岐阜県における若年層を対象とする消費者教育の指針づくりへの参加についての感謝と引き続きの期待の挨拶をいただきました。
岐阜県議会の小原副議長からは、まずご自身が生協組合員として店舗を利用されており、ご家族にとってなくてはならない存在であることの紹介と引き続きの期待の言葉をいただきました。続いて森議長の祝辞を代読いただき、コロナ社会の中で人と人や地域におけるつながりの希薄化が懸念される中、相互扶助の精神を基本に地域に根ざした活動を展開する生協への期待はますます高まること。食や健康など様々な分野の活動を通して、これからも安心して暮らせる地域づくり活動を進めるひとへの激励のメッセージをいただきました。
JA岐阜中央会の渡邉常務理事からは、JAグループを代表して桜井会長の祝辞を代読していだたきました。この日配布した岐阜県協同組合間提携推進協議会で製作した買い物バッグの紹介とともに、SDGsの目標達成に向けてこれからも岐阜県内の協同組合の連携を強めていくこと、そして、来年度からの次期「岐阜県農業・農村基本計画」の重要課題に位置付けられる地産地消の運動を一緒に進めましょうと呼びかけをいただきました。
続いて講演に移り、NPO法人「共存の森ネットワーク」理事長である農学博士 澁澤寿一氏から、「里の暮らしを未来に活かす」の演題で講演をいただきました。
澁澤さんは、共存の森ネットワークのほか、「日本農業国際交流協会」や「真庭エスパス文化振興財団」の理事長も務められており、これまでにもハウステンボスの設立を始めとして、多くの事業に関わってこられた方です。愛知県豊田市「豊森なりわい塾」や岐阜県郡上市「石徹白カレッジ」など東海地方にも様々な関わりをもち活動されています。
秋田県の「鵜やしない」(江戸時代から飢饉での餓死者がいない村)や、山形県小国町金目の栗林、岡山県真庭市の木質バイオマス事業などを紹介しながら、日本の農山村のくらしの中にある持続可能性を活かしてこそ、本当の豊かな未来が創造できる、と写真や図・グラフを使ってわかりやすく話していただきました。
「生きる意味を問う労働」
お金より共感や協働、Do(職業)よりBe(どういう生き方をするか)が大切
お話の中では、労働の意味や価値について、「生きること」=「働くこと」だったものが、今から60年前を境に「お金で生活を買う」へと変わってしまったこと。岐阜県の食料自給率は24%と全国平均を大きく下回りっていること、都会は空洞化し誰かの手助けがないと生きていけなくっなていること、定年で名刺がなくなったら生きていけない人が増えていることなど、「生存」することがまさに砂上の楼閣になっているとのお話は印象的でした。また、「稼ぎ」と「仕事」は大きく異なるものであり、自分や家族のことだけではなく、先の世代のことを考え、想いをつないでいくことが大切であると教えていただきました。地域にある資源(人も環境も)を活かして地域の中で経済を回していく視点を持つことの大切さを学ぶことができました。
参加アンケートには、
・人としての生きがいや生き方について改めて考える機会になった。
・自分が今やっていることが認められた気がした。
・「里山資本主義」は素晴らしい理論だと思った。
・これまでの講演の中で一番構想力があると思った。
・また同じような視点で考えられる講演をお願いします。
・地域を活性化されるということは経済を回して人を定着させるという思いだった。今日のお話を聞いて「なるほど!」と思った。
・循環経済ということがわかりやすく納得できた。
・私たちが無くした価値観を知ることができた。
・本当の意味での持続可能性について学ぶことができた。
・子供たちと話し合いたいと思いました。
など、感謝の言葉が多く寄せられました。
最後に、岐阜県生協連の豊田副会長理事より閉会挨拶があり、「今後、自分自身がどうやって世の中の役に立っていくか」を考える機会になったこと、また生協の一員として「持続可能な社会について考える契機になりました」と講演の受け止めとともに、澁澤さんへの感謝の拍手でこの日の生協大会が終了しました。
コロナ禍の中、今年も多くの方に参加していただけたこと、そして開催計画づくりや準備に関わっていただいた生協大会実行委員の皆さま、関係者の皆さまに心より感謝いたします。ありがとうございました。
●2020年度岐阜県生協大会
■日時 2020年11月5日(木)13:00~15:00
■会場 ホテル・グランヴェール岐山(岐阜市柳ケ瀬通り)
■主催 全岐阜県生活協同組合連合会
■参加者 92名 (講演参加:88名)
コープぎふ36名、岐阜県学校生協8名、生協ぷちとまと10名、
岐阜大学生協4名、岐女短生協1名、岐阜労済生協6名、
西濃医療生協3名、岐阜県生協連5名、
組合員、一般の方11名
来賓ほか7名、講師1名
■ご来賓
岐阜県知事 古田 肇様
(代理 環境生活部次長 山田 恭 様)
岐阜県議会議長 森 正弘 様
(代理 県議会 副議長 小原 尚 様)
JA岐阜中央会会長 櫻井 宏 様
(代理 常務理事 渡邉 健彦 様)
日本生協連関西地連 事務局長 井爪 宏行 様
○随行
岐阜県環境生活部県民生活課 課長 上野 哲治 様
岐阜県環境生活部県民生活課 主査 竹内 順子 様
岐阜県議会事務局総務課 主任 森 広嗣 様
■次第
13:00 開会 司会 堀部 智子(コープぎふ理事)
13:00 主催者挨拶
全岐阜県生活協同組合連合会 会長理事 大坪 光樹
13:05 来賓挨拶
岐阜県環境生活部 次長 山田 恭 様
岐阜県議会 副議長 小原 尚 様
JA岐阜中央会 常務理事 渡邉 健彦 様
日本生協連関西地連 事務局長 井爪 宏行 様(紹介のみ)
13:30 講演:NPO法人「共存の森ネットワーク」理事長 澁澤 寿一 氏
地域を強くすることが将来の新しい日本を創る
「里の暮らしを未来に活かす」
15:05 閉会挨拶
全岐阜県生活協同組合連合会 副会長理事 豊田 由二