2021年2月18日(木)、「令和2年度第2回岐阜県消費生活安定審議会」が開催されました。この審議会は、岐阜県消費生活条例に基づき昭和50年に設置されたもので、県民の消費生活の安定及び向上を図るための重要事項の調査審議を目的に、年2~3回開催されています。18名の委員で構成されており、全岐阜県生協連も委員として出席しています。
今回は、新型コロナへの対応として初めてリモートでの開催となり、メイン会場(岐阜大学サテライトキャンパス)と各委員をオンラインでつないでの開催となりました。
岐阜県環境生活部の西垣部長の開会挨拶で始まり、会長である岐阜大学教育学部の大藪千穂教授を議長に、
(1)令和2年度の消費生活相談の状況報告
(2)岐阜県消費者施策の実施状況報告
の2議題について審議しました。
今年度上半期の消費生活窓口への相談件数は、前年同期と比較して約1割増加しています。新型コロナウイルス感染症の関連する相談は全体の1割を占めており、巣ごもりや新しい生活様式の中で通信販売に関する相談が大幅に増加しているそうです。相談内容も、マスクの品不足や高価格・送り付け等に関するものが急増しているのが特徴的です。
相談者の年代別では、65歳以上の高齢者の件数・割合が若干減少しました。逆に29歳以下の若者からの相談がかなり増加しており、結婚式のキャンセル・延期など冠婚葬祭に関わる相談が大きく増えています。
今年度の消費者施策の実施状況及び来年度の重点施策の報告の中では、県の指針の3つの柱である、
【知】消費者の多様性やライフステージに応じた消費者教育の推進
【相】消費生活窓口の機能の充実・体制の強化
【連】多種多様な団体とのネットワークの構築
のもとで進められている施策の進捗状況を確認し、「消費者施策推進指針(5年間)」の2年目となる令和3年度の重点施策や予算について報告を受けました。
拡充する事業として、中高生など若者向けの消費者教育教材等の制作や、高齢消費者被害を防止していくために高齢者と対面する機会の多い事業者と連携した被害防止の取り組みの促進などが計画や予算に盛り込まれています。
その後、各委員からの質問や意見で報告内容を深めました。相談窓口の充実や人材育成について、また消費者への情報発信や教材等の活用方法について積極的な提案がたくさん出されました。喫緊の課題として成年年齢の引き下げ(2022年4月~)がありますし、コロナ社会の中における消費者行政の推進には、行政や学校の取り組みだけでなく、消費者団体(消費者ネットワーク岐阜など)や私たち生活協同組合も含めた民間事業者の関わりを増やしていくことが大事であると実感しました。
引き続き、生協の事業を通して、また消費者ネットワーク岐阜の活動を通して、安心してくらせる地域づくりに役割を果たしていきたいと思います。