2021年8月12日(木)、「令和3年度第1回岐阜県消費生活安定審議会」が開催されました。この審議会は、岐阜県消費生活条例に基づき昭和50年に設置されたもので、県民の消費生活の安定及び向上を図るための重要事項の調査審議を目的に、年2~3回開催されています。18名の委員で構成されており、全岐阜県生協連も委員として出席しています。
新型コロナへの対応として昨年からオンライン会議システムを導入して開催されています。
岐阜県環境生活部の内木部長の開会挨拶で始まり、この審議会の会長である岐阜大学教育学部の大藪千穂教授(岐阜大学副学長)を議長に、
(1)令和2年度の消費生活相談の状況報告
(2)岐阜県消費者施策の実施状況報告(令和2年度実施状況及び令和3年度の重点施策)
(3)消費者教育支援専門員の使命について
の3議題を審議しました。
コロナ禍の中で消費生活相談が増加しています。
(1)令和2年度の消費生活相談の状況報告では、
・岐阜県全体の令和2年度の消費生活窓口への相談件数は13,155件(前年比105%)となり、2年ぶりに13,000件を超えたこと。
・コロナ禍を反映し、「巣ごもり消費」の増加や「新しい生活様式」の推進により、通信販売関連の相談が増加したこと。
・新型コロナウイルス感染症に関する相談は993件で全体の7.5%を占めること。
などが特徴でした。
20歳になると消費者被害のリスクが急増します。
成年年齢前後の年齢別件数では、19歳から20歳にかけての相談件数の増加が顕著です。件数も20歳が突出しており、しかも年々多くなっています。来年(2022年)4月に成年年齢が18歳に引下げられると、この山も若年層に移動するのではと心配になりました。販売購入形態別で見ると、「訪問販売」「電話勧誘販売」は高齢者が多いのに対し、「マルチ・マルチまがい取引」は20歳代が突出して多いことから、成年に達するやいなや若者が様々な勧誘に晒されていることを実感しました。
ライフステージに応じた学習が成果をあげています。
(2)岐阜県消費者施策の実施状況報告では、消費者の多様性やライフステージに応じた啓発活動(中学生向け副読本、高校生向け啓発カレンダー、高齢者向け啓発カレンダーなど)の取り組み事例や、多種多様な団体との連携の状況が報告されました。岐阜県生協連が支援する消費者ネットワーク岐阜も一翼を担っており、令和3年度は岐阜県からの委託を受け「若者向け消費者教育講演会の開催」や「高校生向けウェブミニ授業の作成」を進めています。
まずはとっつきやすい情報提供から
また、参考資料として報告された「高校2・3年生や大学1年生のお子さんを持つ保護者向けの啓発チラシ」がシンプルながら関心高く意見交換されました。岐阜県生協連でも事前に県民生活課から紹介を受け、8月に全会員生協の職員に2,000部を配布してお知らせを行いました。
成年年齢引下げは2022年4月から。いよいよ“待ったなし”です。
この日の審議会も、各委員から積極的な提案がたくさん出され、質問や意見で報告内容を深めました。この分野の喫緊の課題である成年年齢の引き下げ(2022年4月~)がいよいよ迫っていること、またコロナ社会の中における消費者行政の推進には、行政や学校の取り組みだけでなく、消費者団体(消費者ネットワーク岐阜など)や私たち生活協同組合も含めた民間事業者の関わりを増やしていくことが大事であると改めて感じました。
引き続き、生協の事業を通して、また消費者ネットワーク岐阜の支援を通して、安心してくらせる地域づくりに役割を果たしていきたいと思います。