2022年5月12日(木)、岐阜市の日光コミュニティセンターで、被爆者の願いを継承する岐阜県民の会「第4回運営会議」が開催され20名が参加しました。
「被爆者の願いを継承する岐阜県民の会」(略称:継承する岐阜県民の会)は、2016年からヒバクシャ国際署名に取り組んだ「ヒバクシャ国際署名をすすめる岐阜県民の会」を継承するする組織として一昨年12月に設立されました。核兵器廃絶を目指し、当面の活動として岐阜県の原爆被爆者の証言を記録すること、また全国的な運動の岐阜県における受け皿として活動しています。年4回運営会議を開催して進捗状況を確認しています。
開会にあたり、代表世話人の安藤征治さん、加田弘子さんから挨拶をいただきました。
●安藤征治さんのご挨拶から
まずは、日常より会議や街頭署名、学習会など準備でご苦労いただいている事務局の皆さんに心より感謝申しあげます。
ウクライナ情勢は終結の見通しが見えない状況であり、核兵器使用の脅威も続いています。この状況を子どもたちがどう見ているか、遠い国のことやゲーム感覚で見てはいないかと危惧します。私たちが子どもたちにどのように話しているかが問われることだと思います。
被爆者の願いを継承する岐阜県民の会の今後の活動として、平和のことを子どもたちへどのようにひろげていくか。そして会員を地道に増やしていくことの2点が特に重要だと考えます。皆さんと一緒に地道に進めていきたいと思いますので、どうぞよろしくお願いします。
●加田弘子さんのご挨拶から
いつも岐朋会にご協力いただきありがとうございます。私は、9歳の時に広島で被爆しました。今ウクライナの戦況の報道を見ると当時のことを思い出し胸が痛くなります。私の息子や孫がどれだけ自分に直結する問題として戦争を感じているか心配になります。やはり体験した私たちが直接お話しすることが必要だと最近特に思いますし、その意味でも、これからも私たちの活動がとても大切になると思います。戦争を知っている人が減り、知らない人が多くなっています。高島屋の前で街頭署名をしていてもそれを感じます。やはりちゃんと説明していくことが必要ですし、昔日本でも同じようなことが起きたのだと知ってほしいと思います。今日は、よろしくお願いします。
続く情勢報告として、木戸季市さんより、岐阜県原爆被爆者の会(岐朋会)と日本被団協の活動に関して情報提供をいただきました。
・これからの予定として、岐朋会総会(5/20)、第67回日本被団協総会(6/8-9)が準備されています。
・全国で取り組んでいる核禁条約批准を求める署名(約10万筆)の次回提出が5/20に決まりました。
・核兵器禁止条約第1回締約国会議(6/21~23)、第10回NPT再検討会議(8/1~26)への参加予定者と会議スケジュールの概要について。NPT再検討会議では会場で原爆展が行われる予定です。
・原水爆禁止世界大会は、8/4に開会し翌日から国際会議、ヒロシマ集会、テーマ別集会、ナガサキ集会(8/9)と進められる予定です。他。
続いて、議案に入りました。事務局を代表して全岐阜県生協連の佐藤専務理事より「2021年度活動のふりかえりと2022年度活動計画」の提案がありました。
被爆者の願いを継承する岐阜県民の会の当面の活動計画である、「被爆の証言」の収録を急ぎ進めること、昨年10月から始まった「すべての国に核兵器禁止条約の批准を求める署名運動」に、会員全体で力を入れて取り組むこと、核兵器禁止条約締約国会議やNPT再検討会議などの状況に則して学習会等を企画することが確認されました。
今井雅巳さん「被爆2世のつぶやき」
引き続き、岐阜被爆2世の会の今井雅巳さん(岐朋会)に講演いただき、「被爆2世のつぶやき」の題目で40分間の学習会を行いました。
・今起きているロシアによるウクライナ侵攻と、日中戦争15年を比較してみると類似している点が非常に多い。
・ロシアは核兵器の使用について言及している。放射能汚染が起こることについては核兵器も原発も同じだといえる。非常に危険な状態に私たちも晒されている。
・憲法9条は、日本が守るべきものであると同時にアジア諸国に対する日本の約束でもある。(戦力・交戦権の放棄) 国語として憲法9条を読めば、今の状態は大変な憲法違反である。
・今井さんのお父さんは23歳の時に広島市で入市被爆され、その後原爆症を発症されたこと。今井さん自身も小学生の時に揶揄された経験を持つこと。
・戦争は被害だけでなく加害も生む。「戦争をしない」から「全ての武器を持たない」に世界が動いていくべきではないか。そのために、あらゆる武器を無くしていくことが必要である。
・人類7000万年の歴史の中で戦争を始めたのはつい5000年前からで、それまでは平和に生きてきた。クルド民族、北米先住民、「揉め事は全て話し合いで」(先住アイヌ民族)などの思想・哲学、古代・先人の知恵や叡智に学びたい。暴力が支配する世界から理性が支配する社会に生まれ変わらないと人類に明日は無い。
そして、最後に提案がありました。ある方から被爆者の願いを継承する岐阜県民の会の活動として岐阜市内の中学校23校に「ヒロシマ・ナガサキ 原爆と人間(パネル)」を寄贈してほしいということで寄付のお申し出をいただいたそうです。今年の夏から始め、前述の「被爆の証言」と合わせ継続的な活動として組み立てられるよう、事務局会議で検討し運営会議に提案・報告していくことになりました。
この日の「被爆2世のつぶやき」講演の模様は、動画編集して近日中に公開します。
最後に代表世話人の大坪光樹さんから閉会挨拶がありました。
3年目になるコロナ禍の中、ピースアクションの取り組みも徐々にひろげてくいことが大切であり、一緒に取り組んでいきたいと思いました。
今井先生の学習会では、ウクライナ問題に関連していろいろと問題提起も含め学習できました。生協のユニセフ「ウクライナ支援募金」に2週間の短期間ながら280万円が集まりました。岐阜県からもウクライナ避難民(4家族11人)への生活支援募金の呼びかけがあり準備しています。
今年は、沖縄復帰50年、憲法制定75年など様々な歴史の節目にあたっています。ウクライナ問題に便乗して憲法を改正しようなどとの動きが活発化しており、非常に危険な状況にあると思われます。日本生協連設立時のスローガンである「平和とよりよい生活のために」に立ち返り、皆さんと一緒に平和の活動に取り組んでいきたいと思います。本日は本当にありがとうございました。