活動の報告

郡上市明宝地区「畑佐まめな会」の配食サービス活動を見学しました【22.9.29】

盛り付けの様子。奥にある調理室で朝8時から調理が始まっています。

2022年9月29日(木)、郡上市明宝畑佐(はたさ)の「ほほえみの家」を、コープぎふ中濃支所長の栗本和浩さんと一緒に訪問し、この日行われた「畑佐まめな会」の配食ボランティア活動(地域の高齢者への手づくり弁当づくりと配達)の様子を見学させていただきました。

きっかけは、会の代表を務める石田賀代子さんからお弁当づくりの材料の調達についての相談をいただいたことす。石田さんは、同地区で「自然食泊 愛里」を営んでおられ、岐阜県生協連が参加している「「ぎふの田舎へ行こう!」推進協議会」で交流があります。先週、コープぎふの辻圭介さん(宅配事業部長)、栗本さんと訪問しており、この日が2回目の訪問となりました。

自治会の回覧板でお弁当のお知らせと申し込み受付けをされています。

畑佐地区は、人口221人・90世帯の集落で、独居や高齢者の二人暮しの家庭が多い地域です。まとまった食材を買うには車で約30分かかる八幡町まで行くしか方法がなく、買い物困難が地域の中で深刻な問題になっています。

今から4~5年前に、石田さんたち気の合った女性が集まった際に、「お年寄りの方に何か食べてもらいたいねぇ」と話題になったのがきっかけで、とりあえず公民館での食事会を呼びかけてみたところ、80食もの申し込みがあったそうです。

全員が抗原検査をして参加されています。(私たちも検査して行きました)

しかし、農作業されている方にとっては、畑から一度家で着替えてから集まり、食べたらまた着替えて畑に戻ることになるのでけっこうな手間になったようです。そこで、お弁当を作って配達するようにしたところ大変喜ばれ、それが現在の活動の原型となったそうです。その後、新型コロナの感染拡大が始まったため、その時々の状況によりお休みした月もありましたが、挫けず毎月一回のペースで続けられています。

「畑佐まめな会」の配食サービスは、畑佐地区の40代~80代の住民十数名のボランティアの方が担っています。最初は女性のみからスタートしましたが、「男性もいた方がいい」と考え、自治会長さんや民生委員の方に声をかけたのを皮切りに、集まってくれる男性が6人まで増えてきたとのこと。グループLINEを作り連絡し合っているそうです。

彩りを重視し、盛り付けや詰め方にも手を抜かず丁寧に仕上げられていました。ごはんはいつも旬のもので味付けされているとのこと。ロースはきれいな色に揚がって美味しそうでした。

毎月のスケジュールは、実施日の前々日に八幡町で食材等の買い出しに行き、前日に下ごしらえ、当日は朝8時から調理とバック詰めを行い、11時半頃から正午までに配り切る流れです。お弁当が届くのを楽しみに待っている方がいらっしゃるので毎回時間との闘いなのだそうです。

ホワイトボードに書かれたこの日のメニュー。

今月のメニューは、ロースカツと鮭の切身をメインに、季節の野菜を使った惣菜、ごはんは栗ご飯という豪華メニューでした。材料の殆んどは会の皆さんが自家栽培しているのを持ち寄られるのだそうです。事前にメニューは決めているものの、当日の朝に「こんなのもあるよ」と持ってみることもあるそうで、それも何とか考えて使われているとのこと。「自分で作ったものがお弁当の材料として役に立っているという喜びがやりがいとなって、長く続いている力になっていると思います」(石田さん)のだそうです。

お弁当が出来上がったら、これまた全員で即座に配達に向かいます。自治会の班を基本に、この日は車台と「ほほえみの家」近くのお宅は徒歩で配達しました。お年寄りなので呼んでもすぐに出てみえない方もありますが、いつも行っているので会の皆さんは慣れたものです。様子を見に来られていた郡上市社協の日置美晴さんも、「地域見守りという意味でも大変ありがたいです」とおっしゃっていました。

利用者の負担は1食300円で、郡上市社協から補助をいただいているそうです。
配達が完了し、全員揃ってお弁当を食べながら交流。今月もおつかれさまでした。

初めての見学でしたが、高齢化や過疎化が進む中で、地域の方が主体となり、地域の資源を大事に使いながら、ささえあい・たすけあいの輪を循環させていることがわかりました。生協がお手伝いできることを見つけていきたいと思いました。貴重な機会をいただいたことに感謝いたします。