活動の報告

被爆者の願いを継承する岐阜県民の会「第5回運営会議」が開催されました【22.12.23】

木戸季市さん学習会の模様。熱心に聞き入りました。

2022年12月2日(金)、岐阜市民会館において、被爆者の願いを継承する岐阜県民の会「第5回運営会議」が開催され20名が参加しました。

「被爆者の願いを継承する岐阜県民の会」(略称:継承する岐阜県民の会)は、一昨年12月に設立されました。核兵器廃絶を目指し、当面の活動として岐阜県の原爆被爆者の証言を記録すること、また全国的な運動の岐阜県における受け皿として活動しています。会員が集まる運営会議を開催し、進捗状況を確認しこれからの計画を検討しています。

開会にあたり、代表世話人の安藤征治さん、加田弘子さんから挨拶がありました。

●安藤征治さんのご挨拶から 「共感をひろげ会員を増やしていきたい」

安藤征治さん
  • 国会では「狙撃能力」や「敵基地攻撃能力」などが論議され、どのようにも解釈できるような法律が作られようとする動きがある。「専守防衛」といいながら、「撃たれる前に撃ち返す」というような方向性の議論になっていくことを危惧する。
  • ウクライナ侵攻や中国、北朝鮮の報道に対して、「もし日本が攻められたら?」と問い掛けられれば、「守るために力を持つべきだ」という発想になる。武器を持たなくても済むためにはどうすればよいかをもっと議論していなかければならないと思う。
  • 若い人たちの理解がひろがるよう取り組みたい。岐朋会の皆さんの尽力により、岐阜市内の全23中学校に「原爆と人間」パネルが寄贈された。本巣市の教育長にも会い懇談する機会も持てた。今後私たちは、教育委員会や学校に参上しながら、会の活動の主旨や私たちの願いを伝えていきたいと思う。

●加田弘子さんのご挨拶から 「皆様と一緒にこれからも進めたい」

加田弘子さん
  • いつも岐朋会にご支援・ご協力をありがとうございます。誰もが歳をとります。今岐阜県には243人の被爆者がいます。先日、東海北陸ブロックの相談会が3年振りに開催され58名が参加しました。被爆者が高齢化し出かけられなくなった一方で、支援者や被爆2世の方などにメンバーが随分と変わっていました。
  • 皆さんの支援のおかげでそのような会を開くことや、私たちも活動ができるとつくづく感じたと同時に、これからも皆様の支援がますます必要だと思いました。どうかこれからもよろしくお願いします。

●木戸季市さんの学習講演
「核兵器も戦争もない世界をめざして ―ウィーン・NY行動の報告もかねて―」

今回は、日本被団協の代表として今年6月の「核兵器禁止条約第1回締約国会議」、8月の核兵器不拡散条約(NPT)再検討会議に参加した木戸季市さんに講演いただき、約70分間の学習会を行いました。
まず、被爆当時の記憶やお父さんが無くなられた時のことを話され、続いて2025年「被爆80年」に向け被団協への提起として考えていること、最近の特徴的な活動(行政への働きかけから実現したこと)が紹介されました。そして、ウィーン行動(6月)、ニューヨーク行動(8月)への参加を通しての感想、最後にこれからの行動計画と課題についてお話しいただきました。

木戸季市さん
  • 5歳7か月の時に長崎で被爆した。母に連れられて逃げたが重傷を負った。私が29歳の時に父親が入院し脳溢血で亡くなった。直接の死因ではないが原爆との関係ではないかと思える。
  • 日本被団協にはどんな運動が求められているのか。10月の都道府県代表者会議では、2025年の「被爆80年」を新たな運動の出発点として開始いこうと提起した。被爆者がいなくなっても核兵器をなくす運動、戦争を反省し戦争のない世界を求める運動は必要であり、多くの人々が参加する新しい運動を作り出していくことが私たちの課題となる。
  • 岐阜市長と懇談して、2023年3月1日から3日間ぎふメディアコスモスでの「国連原爆展」の開催が決まった。岐阜県知事にも懇談を申し入れている。ウィーン行動・ニューヨーク行動、そして「国連原爆展」は被団協単独の行動ではないことを伝えたい。
  • これからの重要な3つの国際会議がある。先日取材を受けたものが12/10に放映される予定。来年の広島サミットに向けて被団協や私の考えを今日の資料に書いている。
  • ウィーン行動とニューヨーク行動で考えさせられたことの一つが「国連とは何か」ということ。プーチンの反対によってNPT文書は合意できなかったが、圧倒的に多数の国が核兵器禁止条約を生かし、核兵器の廃絶に頑張ろうと発言していた。すべての国が対等だという原則に従った国連改革が不可欠だと考える。
  • 「ウィーン宣言」や具体的な行動提起の最後に「私たちは歩み続ける」とある。その決意が合意され、それを受けてNPT再検討会議が持たれた。議論の中から核兵器禁止力を生み出した。条約とNPTは補完関係にあり一体である。
  • 国連原爆展を日本で開催できることになった。東京でこの前やり、今度は岐阜でやれることになった。全国各地でやっていけるのではないかと激励や感謝されている。

●これからの活動について意見交流しました。

2022年度活動の進捗状況を確認したあと、来年の取り組みについて意見交流し、
・個人会員を中心に各団体でも会員を増やすことに取り組むこと。
・ハガキサイズからでもよいので会員への情報発信を始めること。
・3月のパネル展開催について(主催、チラシ、広報など)事務局会議で検討すること。

を確認しました。

竹田智雄さん(左)

○今はまず署名活動をやっていくうちに道は拓けるのではないかと思っている。毎月の柳ケ瀬商店街での街頭署名活動で市民に語りかけることや、可能であれば自分たちでも取り組んでみて、共感してくれる方の中から順番に増やしきたいと思う。(竹田智雄さん)



今井雅巳さん


○岐阜県の「被爆2世の会」の会員数は3人、賛助会員を入れても12~13人でしかない。名前は出せないが100万円を寄付してくださる被爆2世の方がいて、今回岐阜市の全中学23校に「原爆と人間」パネルの寄贈が実現した。原発再稼働は核の問題であり、これは被爆2世だけのことではなく正しいことを私たちは学ばなければならない。(今井雅巳さん)



安藤征治さん


○会員を増やすことは、思いや願いを共有する人を増やしていくことでありとても大切なこと。その意味で加入者を増やしていきたい。そして、会員になったら継続的に情報を発信していけるとよいと思う。事務局は今よりさらに大変になることだと思うが、その後もつながりをつくっていくやり方を考えていただきたい。 (安藤征治さん)



牛丸基樹さん

○6年前に「コープぎふ平和憲章」を定め、その中でも、核兵器廃絶を謳っている。一昨年から改めて組合員に知らせていく活動を組み立てている。25万人の組合員へのお知らせ活動をこれからも進めていきたい。(福永博隆さん)
○3月予定のぎふメディアコスモスの展示を広く宣伝して加入の呼びかけをしていきたい。どこが主催者になるかはわからないが、できればチラシも作成して新しい団体にも知らせていくのがよいと思う。(牛丸基樹さん)
○主催者についてはまた検討すればよいし、東海・北陸の被爆者組織にも呼びかければ来ると思う。(木戸季市さん)

最後に、代表世話人の古川秀昭さんの閉会挨拶がありこの日の会議を終了しました。

●古川秀昭さんの閉会挨拶から 「私たちの活動を世界にひろげよう」

古川秀昭さん
  • 国会中継をラジオで聴いているが、武器購入の議論がすごいことになっていると感じる。武器は持つとあらゆる理由をつけて使いたくなるものであり、そのための知恵も生んでしまう。とてつもなく恐ろしい買い物をしようとしていると危惧する。
  • この「コープぎふ平和憲章」は、国連加盟193カ国のものとしても使えるくらい格調高いものだと思う。特に最後の「私たちはヒロシマ・ナガサキを忘れず~」は、このことを193カ国で明確に言えるよう、私たちの活動が世界に知れ渡っていくよう会員を増やしていきたい。私たちができることを精一杯やらなければならないと思う。今日はありがとうございました。