2023年5月10日(水)、岐阜市の岐阜市立女子短期大学において、2023年度の「えだまめ農業体験」の事前レクチャーが行われました。
この「えだまめ農業体験」は、岐阜県の食農教育実践支援事業として平成24年から始まり、地元岐阜市の代表的な農産物である「えだまめ」を題材に、枝豆づくりの作業を通して、枝豆のことを知るだけでなく、農業の大変さや生産者のご苦労を知る貴重な体験として継続されてきました。岐女短生協の学生委員会「ぴーちクラブ」の活動を、大学やJAぎふ、岐阜農林事務所、岐阜県農政部、そして岐阜県生協連がサポートして毎年続けてきました。
新型コロナの影響で2020年度はお休みしましたが、翌年から徐々に活動を再開してきました。今年度も、6月に播種体験、収穫調製作業体験を計画しています。農作業や生産者の方との交流を通して、農業がどのように動いているかや、生産者の思いやどのようにお仕事をされているかについても学ぶことをテーマに組み込んでいます。
この日は、まず関係者の紹介に続き、岐阜県生協連から趣旨説明も含め開会挨拶を行いました。
そして、JAぎふ黒野農産物流センターの鷲見将志さんから、枝豆の栽培概要、作型、品種、出荷先、そして岐阜えだまめの特長について説明していただきました。岐阜市の枝豆農家数は約161戸。栽培面積は90haです。減少傾向にはありますが、生産量606トンで約4.8億円の出荷高を誇っています。全国でも早い段階から機械化が始まりました。1月からハウスでの播種が始まり、4月から11月まで収穫が行われるなど、長い期間をかけて収穫・出荷することが特長です。栽培時期に合わせて品種も豊富で、出荷量の約5割が京阪神へ、約3割が東海に出荷されているそうです。
続いて、岐阜農林事務所の小森志保さんから、資料「枝豆の収穫調製体系と品質」に沿って説明していただきました。この中では、岐阜えだまめは大阪の市場で約3割のシェアがあるが生産量は漸減しており、今後の振興のためには「ブランド力の堅持」と「生産労働力の確保」が課題であること。そのために収穫作業の工程に基準を設け、160軒の農家からの生産物の品質が揃うよう努力をされていると教えていただきました。生産労働力を確保するために、農家の要望と消費者の購入動機(味・鮮度、価格、安全性など)を突き合わせ、サンプリング検査も行って収穫・冷蔵・輸送時間帯も改善をはかられていることがわかりました。
その後、岐阜県農産物理由通過の吉川周作さんから今年の活動への期待の言葉をいただき、質問や感想を出し合って交流しました。「なぜ関東圏には出荷していないのか?」「バラ売りはしていないのか?」「枝付きの方が鮮度は保持できるのか?」など率直な質問が出され、鷲見さんや小森さんから回答していただき学習会することができました。
最後に岐女短生協代表理事の前口直樹さんから閉会の挨拶があり、この日のレクチャーを終了しました。今年度の活動計画は、6/3(土)播種体験、6/24(土)収穫調製業体験、秋に発表会、11月に事業報告書作成の予定で進めます。JAぎふ枝豆部会の皆さまには今年もお世話になりますが、よろしくお願いいたします。6月の作業体験には一人でも多くの学生さんが参加されることを楽しみにしています。
■開催の概要
日時:2023年5月10日(水)16:20~17:20
会場:岐阜市立女子短期大学 1-404講義室
出席:ピーチくらぶの学生さん(三浦さん)、鷲見将志さん(JAぎふ)、
小森志保さん(岐阜農林事務所)、吉川周作さん(岐阜県農産物流通課)、
前口直樹さん、坂田充宏さん(岐女短生協)、佐藤圭三さん(岐阜県生協連)