2024年1月11日(木)、岐阜県社会福祉協議会主催の「岐阜県災害ボランティアセンター運営支援者研修」が岐阜市の岐阜県福祉農業会館で開催されました。
近年多発する大規模自然災害に備え、2019年度から岐阜県社会福祉協議会が主催して様々な研修会始まりました。この「災害ボランティアセンター運営支援者研修は」は、今年度3回シリーズで企画され、最終回のこの日は「地域支えあいセンターの運営について」のテーマでオンラインも含め87名が参加しました。岐阜県生協連は「岐阜県災害ボランティア連絡調整会議」の構成員として参加しており、今回はコープぎふくらしの活動部の中野拓二さんと参加しました。
冒頭で、県社協から企画・運営を委託されている「認定NPO法人レスキューストックヤード」代表の栗田暢之さんからガイダンスがあり、あわせて能登半島地震への対応状況の報告がありました。栗田さんたちはすでに2回現地に入られたそうで、被災地の概況を教えていただきました。
講義に移り、岡山県社会福祉協議会の橘哲也主任、倉敷市社会福祉協議会の山下雅光主任から、「2018年西日本豪雨での取り組みについて」のテーマで、それぞれの事例を報告していただきました。もう5年が経過し記憶も薄れていましたが、岐阜県でも関市を始めとして大きな被害があったことを思い出しながらお二人の報告をお聴きしました。
そして、後半は、お二人の講義を聴いて、参加者が小グループにわかれ感想・課題出しを行いました。
全体を通してまず印象に残ったのは、「地域支え合いセンター」のことが名称も含め岐阜県では認知度がとても低いのではないかということ。「地域支え合いセンター」は、被災された方が安心して日常生活を送ることができるよう、見守りや健康づくり・生活の支援などを総合的に行うために行政が社会福祉協議会に委託して行う事業・制度です。「生活支援相談員」や「見守り連絡員」等の職員を配置し、建設型応急住宅、賃貸型応急住宅、在宅避難等の被災者の方々を巡回訪問し、困りごとや各種相談への対応、交流の場づくりなどを行っています。
災害が起きると、まずは被災者の人命救助に始まり、避難所生活や応急仮設住宅での生活を経て生活再建が進みます。「地域支え合いセンター」は「災害ボランティアセンター」の活動が活発期から収束期に向かう頃に立ち上がり、日常生活の自立(健康面)→住まいの再建→生活の再建の順に被災者の生活をサポートしていく非常に息の長い活動です。被災者が抱える課題は一人ひとり異なるので、支援内容も一人ひとりに話を聴きながら寄り添っていかなければならないということ。また生活再建のフェーズに即して変えていく必要があることなどがわかりました。
今までは、そのような活動のことは報道で見聞きしてはいましたが、災害ボランティアセンターから継続して社協の皆さんが担われていることに改めて気づきました。最後の一人まで生活再建を支援し続けることは本当に大変なことであり、やはり共助の力を発揮していくことがこの分野においても重要だと感じました。私たちも大きな自然災害により被災する日は必ず来ます。知らずに被災するのと知っていて被災するのとでは大きな差があります。災害支援のネットワークと裾野をひろげていくことがやはり大切だと再認識しました。
貴重な学習の場を毎年提供してくださる岐阜県社会福祉協議会の皆様にあらためて感謝します。引き続き「防災・減災」力とともに「災害支援」力も高めていきたいと思います。