2024年11月19日(火)、令和6年度の岐阜県総合防災訓練が行われ、その中で実施された「岐阜県災害ボランティア連絡調整会議設置訓練」に、岐阜県災害ボランティア連絡会の構成団体(20団体)と被災市町村(山県市、揖斐川町)、被災市町村社会福祉協議会(山県市・揖斐川町社会福祉協議会)が参加しました。全岐阜県生協連もコープふとともに参加しました。(会場:岐阜県農業・福祉会館)
今回は、11月18日(月)午前7時に、「揖斐川-武儀川(濃尾)断層帯」による内陸直下型地震が発生し、岐阜・西濃地域を中心に大きな被害が発生したという想定で行われました。
訓練は午前9時30分に始まり、最初に岐阜県健康福祉部地域福祉課から訓練の進め方等の説明がありました。
■訓練の流れ
➀【山県市社協-県社協】【揖斐川町社協-県社協】災害ボランティアセンター設置・災害ボランティア募集に関する連絡。
②【山県市-岐阜県】【揖斐川町-岐阜県】各社協による災害ボランティアセンター設置・災害ボランティア募集の報告。
③【県社協】災害ボランティアセンターを設置する市町社協に事前登録システムアカウントの提供。
④【県社協→岐阜県】5市町で災害ボランティアセンター設置の報告。
⑤【県地域福祉課内】災害ボランティア連絡調整会議設置の決定。
⑥ 災害ボランティア支援協議会の開催。
⑦第1回連絡調整会議(全体会議)の開催。
⑧第2回連絡調整会議(全体会議)の開催。
⑨専門部会の開催。(技術系分野、避難所支援分野)
⑩全体会議
⑪訓練のふりかえり
私たちが主として参加したのは⑦⑧⑨⑩でした。当初の訓練は事務局が事前に作成した訓練マニュアルをもとに行われていたしたが、昨年度から台本を簡素化し、被災地からの要請をリアルに聞き、参加団体が対応可能な支援をその場で出し合い調整する方式に進歩されてきました。
全体会議では、被災地の支援ニーズと各団体から報告された支援計画を書き出したところ、避難所では運営応援スタッフ、人員輸送用の車両・運転者、宿泊拠点のテント、外国人向けの通訳・案内表示類の多言語対応、支援団体の活動資金、ペット連れ避難者の支援、エコノミー症候群の予防体制の不足が深刻な問題となっていることがわかりました。
各支援団体から支援可能な項目を出し合い、全岐阜県生協連からは、炊き出しが不足している問題に対し、岐阜市内の生協施設にLPガス式の炊き出し用具を所有しており人員とともに対応可能であること、ただし独自ではLPガスボンベの調達と接続ができないためサポートが必要である旨を報告しました。また、避難所で医療や介護のスタッフが不足している問題に対しては、大垣市の西濃医療生協と情報共有し可能な支援を検討する旨を報告しました。
その後の専門部会(避難所部会)では、上記の避難所課題に対して追加支援できることを出し合いました。全岐阜県生協連からは、炊き出し食材が不足する課題に対し、岐阜県との災害協定に基づき要請を受け拠出を準備する旨を報告しました。
最後に再び全体会議を開催しまとめを行いました。その中では、災害発生時の緊急連絡インフラの弱さに関する意見が出され、全国で導入事例があるスターリンク等の導入検討を急ぐ必要がある等の発言がありました。(この日の訓練でもZoomが不安定で何回かダウンする現象が起きました)
この訓練は2019年から始まりこれで6年目となりました。各団体が報告する支援内容が年々それぞれの実態に即した内容になっていることを感じます。岐阜県生協連の課題としては、従来の支援物資調達と合わせ、被災地(避難所や災害ボランティアセンター)支援の面でも生協のBCPと噛み合った活動として対応できるようにしていくことがますますの課題と感じました。
また、生協組合員のボランティア組織の構築が会員生協で検討されていますので、来年の訓練時には、そのことも支援項目として報告できるよう進めていきたいと思いました。