活動の報告

「祝ノーベル平和賞受賞 平和を考える集い 岐阜」が開催されました【25.1.15】

円徳寺会館ホールの様子。二日間ともほぼ満席の集いとなりました。

 2025年1月12日(日)・13日(月・祝)、岐阜市の円徳寺会館にて、被爆者の願いを継承する岐阜県民の会(略称:継承する岐阜県民の会)が主催し「祝ノーベル平和賞受賞 平和を考える集い 岐阜」が開催されました。

 「継承する岐阜県民の会」は、前身の「ヒバクシャ国際署名をすすめる岐阜県民の会」の活動を引き継ぐ形で2020年12月に設立され、核兵器廃絶を目指し、岐阜県の原爆被爆者の証言を記録すること、また全国的な核兵器廃絶運動の岐阜県における受け皿として、「すべての国に核兵器禁止条約の批准を求める署名運動」などの活動を行っています。

 今回の集いは、昨年12月10日に日本原水爆被害者団体協議会(日本被団協)がノーベル平和賞を受賞したことをお祝いするとともに、より多くの人が平和について考え合うことを目的に開催しました。「継承する岐阜県民の会」会員、関連団体、一般の方など、両日あわせて約200人の参加がありました。

 会場ステージには、これまでにお亡くなりになった岐朋会会員の遺影(80名)が祀られ、お祝いの場であるとともに厳かなムードが立ちこめる中、オープニングでは同会の代表世話人である安藤征治さん(1/12)、古川秀昭さん(1/13)の開会挨拶と、峠三吉の詩「序」を参加者全員で朗読しました。

開会挨拶 (左)安藤征治さん                        (右)古川秀昭さん

 プログラムの最初は、岐阜県で活動する「フォーク集団かがり火」と「カポタスト」によるギター演奏と歌唱(1/12)、青山雅彦さんのギター弾き語り(1/13)で幕を開けました。お馴染みの平和ソングもあり初めて聴く曲もありで楽しい時間となりました。詩の朗読に続きコンサートを通じて平和を願う気持ちが会場全体にさらにひろがりました。

「かがり火」「カポタスト」の皆さん(左)と、青山雅彦さんのギター弾き語り(左)

 また来場された岐阜市教育委員会の水川和彦教育長(12日)と、全国保険医協会の竹田智雄会長(13日)にご挨拶をいただきました。水川教育長からは、1/16日に予定している岐阜市全中学での「一万人平和学習会」など学校での平和学習の取り組みについて、竹田会長からは「DBOBキャンペーン」など保険医協会や「反核医師の会」の取り組みなどが紹介されました。

(左)水川教育長                     (右)竹田会長

 11時からは、日本被団協事務局長であり、岐阜県原爆被爆者の会(岐朋会)会長の木戸季市さんから、12月10日に行われたオスロ(ノルウェー)でのノーベル平和賞授賞行の様子が報告されました。オスロの街は歓迎とお祝いムード一色で、至るところで拍手で歓迎されたこと等のエピソードも紹介されました。会場からの質問に対して、自身の長崎での被爆体験から日本被団協や岐朋会を結成して活動してきた経過を「4度の被爆」として語られ、「日本被団協は慰め合うためではなく、実現するための組織」として、今後に向けて「これからも核兵器のない世界をつくるために力を尽くしたい」と自身の決意を述べられました。

木戸季市さん、堀浩子さんの報告の様子

 また、授賞式に同行した長女の堀浩子さんからも、「今までは被爆の実相からも、父の思いからも逃げてきたが、今回の受賞を契機に、父の経験を伝えていきたいと思った」と心の変化を述べられ、会場から大きな拍手が贈られました。参加者からも、川辺町議会で核兵器禁止条約への参加を求める請願が採択されたことや、岐阜市で活動する団体の取り組みが紹介され、「ノーベル平和賞受賞が嬉しくて、今日も仲間からお祝いのカンパを募ってきた」など、多くの発言で盛り上がりました。

「被爆の証言」 岐朋会の加田弘子さん(左)と西田詩津子さん(右)

 午後は、「被爆の証言」として、12日は岐朋会の加田弘子さん、宇田茂樹さん、黒木寿美子さん、西田詩津子さん、木戸季市さん、13日は西田詩津子さん、加田弘子さんが登壇し、被爆当時のことや、被爆者として偏見や無理解に苦しみながら歩んでこられた人生について赤裸々に話されました。ノーベル平和賞受賞の発表を聞いた瞬間は、「とても嬉しかった。すぐにたくさんの人からお祝いの連絡が一斉に来て大変なことになりました」とのエピソードを紹介されました。西田詩津子さんは、自身が語り部として続けている紙芝居「被爆者からの伝言」を両日上演し、若い世代の人たちへのメッセージとして、「お願いです。私たちの願いをどうかつなげていってほしい」と涙ながらに訴えられました。

 「被爆の証言」岐朋会の宇田茂樹さん(左)と黒木寿美子さん(右)


 最後に、会の代表世話人の安藤征治さんから閉会挨拶とともに、配布資料「おばあちゃんからのお願い あなたは夫や息子を戦場へ送れますか? あなたは戦争に行って人を殺せますか?」の朗読と、全員で「平和の申し子たちへ! 泣きながら抵抗を始めよう」(なかにし礼 作)を朗読しました。

閉会式での詩の朗読の様子


 核兵器の無い世界を願う人たちが、今回のノーベル平和賞受賞を祝って集まり、思いを交流して「これからもがんばろう」の気持ちを新たにすることができた二日間でした。
この他にも、会場内には「国連原爆展パネル」をはじめとして、日本被団協や核兵器禁止条約ら関する資料が展示され、「すべての国に核兵器禁止条約の批准を求める署名」への参加や、「岐朋会 平和学習会」の申し込みもありました。また継承する岐阜県民の会への加入もありました。そして約10万円の会場カンパもいただきました。
年末~新年にかけて慌ただしい準備となりましたが、ご支援・ご協力、そしてご参加いただいた皆さまに心から感謝いたします。

◆会場およびパネル展示・資料など設置の様子